ヘルプデスクとは?役割や仕事内容からメリット・デメリットまで解説

更新日 公開日 2025/07/10

ヘルプデスクは、社内外のユーザーからの問い合わせやトラブルに対応し、業務やサービスを円滑に進めるための重要なサポート窓口です。

近年では、情報システム部門の業務負担軽減や顧客満足度の向上を目的に、多くの企業が導入を進めています。

本記事では、ヘルプデスクの基本的な役割や定義をはじめ、社内・社外それぞれの違いや具体的な仕事内容、求められるスキルについて詳しく解説します。さらに、導入によるメリットと注意すべきデメリットも紹介しますので、導入時の参考にしてください。

目次

ヘルプデスクとは?

ヘルプデスクとは、ユーザーが直面するトラブルや疑問に対して、迅速かつ的確に対応するサポート窓口のことを指します。

社内向けには、従業員が業務で使用するPCやシステムの操作方法の案内や、不具合の対応などを行い、業務の停滞を防ぐ役割を担います。一方、社外向けのヘルプデスクでは、顧客が自社の製品やサービスを円滑に利用できるよう、操作案内やトラブル対応を通じて顧客満足度の向上を図ります。

ヘルプデスクでは、発生したトラブルの内容や対応状況を振り返り、原因や傾向を分析することで、サービスの品質向上や業務改善につなげる役割も担っています。

また、問題の早期解決は、業務効率化や信頼構築にもつながるため、企業活動において欠かせない存在です。

社内ヘルプデスクと社外ヘルプデスクの違い

ヘルプデスクは、対応する相手によって「社内」と「社外」に分かれます。社内ヘルプデスクは、社員向けにIT機器の不具合や業務システムの操作トラブルなどに対応する部署です。

一方、社外ヘルプデスクは、顧客からの問い合わせに対応し、製品やサービスの操作説明やトラブル対応、時にはクレーム処理まで行います。社外対応では顧客満足度の維持が重要となり、より丁寧な対応が求められます。

ヘルプデスクの仕事内容

ヘルプデスクの業務内容は、「社内ヘルプデスク」と「社外ヘルプデスク」で大きく異なります。それぞれの役割や求められるスキルについて解説します。

社内ヘルプデスク

社内ヘルプデスクは、社員からのIT関連の問い合わせに対応する業務を担います。主な内容は、PCや業務システムの操作説明、不具合の対応、アカウント管理やソフトウェアの設定など多岐にわたります。

単なる応対スキルだけでなく、社内システムやネットワーク、パソコンに関する技術的な知識が求められる点が特徴です。業務を円滑に進めるための、社内の縁の下の力持ちといえる存在です。

社外ヘルプデスク

社外ヘルプデスクは、自社製品やサービスに関する問い合わせやトラブルに対応する業務で、顧客満足度を左右する重要な役割を担います。操作方法の案内や不具合の対応に加え、クレーム処理も発生するため、高いコミュニケーション力と丁寧な対応力が求められます。

また、正確なサポートを行うには、製品やサービスに関する深い知識と、状況に応じて適切に判断・対応できるスキルが不可欠です。

ヘルプデスクに求められるスキル

ヘルプデスクは単に問い合わせに対応するだけでなく、円滑な対応のために幅広いスキルが求められる仕事です。

本章では、ヘルプデスク業務を遂行するうえで必要となる代表的なスキルを紹介します。

PCスキル

ヘルプデスクには、基本的なPC操作スキルに加え、サポート対象となるシステムやソフトウェア、IT機器に関する専門知識も求められます。

特にIT分野は常に進化しているため、新しいツールやバージョンの登場に対応するための継続的な学習が欠かせません。トラブルに迅速かつ的確に対応するためには、実践的な知識とアップデート力の両方が重要です。

サポート品質を高めるためにも、技術習得への意欲が求められます。

コミュニケーションスキル

ヘルプデスクでは、問い合わせ内容を正確に把握し、専門用語を使わずにわかりやすく説明するコミュニケーションスキルが欠かせません。相手の状況や理解度に応じて柔軟に伝え方を工夫する力が求められます。

また、社内外の多くの人と関わるため、丁寧な対応や基本的なビジネスマナーも重要です。的確な情報共有やスムーズなサポートが、ユーザーとの信頼関係の構築につながります。

問題解決スキル

表面的な症状にとらわれず、問題の本質を見極める分析力もヘルプデスクには不可欠なスキルです。限られた情報の中から正確に状況を把握し、原因を迅速に特定するには、高いヒアリング力と理解力が必要になります。

また、複雑なシステムや専門用語を理解したうえで、相手に合わせた伝え方で適切な解決策を提示する力も必要です。的確に判断し、冷静に対応することが、迅速な問題解決や顧客や従業員の満足度につながります。

ヘルプデスクのメリット

ヘルプデスクの導入は、業務効率の向上や顧客満足度の向上など、多くのメリットをもたらします。本章では主な5つのメリットについて解説します。

業務効率向上

ヘルプデスクの設置により、問い合わせ対応が一元化されるため、情報システム部門の負担が軽減されます。さらに、FAQを活用することで、従業員自身が簡単な問題を自己解決できる環境が整い、問い合わせ件数の削減にもつながります。

そのため、社員はシステム開発などのコア業務に集中しやすくなり、全社的な業務効率と生産性の向上が期待できます

顧客満足度・従業員満足度の向上

ヘルプデスクが迅速かつ的確なサポートを提供することで、顧客や従業員の満足度が大きく向上するといったメリットもあります。

問題が早期に解決されることでストレスが軽減され、より深い信頼感の構築にも効果的です。また、利用者の声を直接受け取ることで、企業はサービス改善に役立てられ、顧客との良好な関係構築やブランド価値の向上にもつながります。

コスト削減効果

専門のヘルプデスク部署を設置することで、問い合わせ対応の効率化が進みます。さらに、チケット管理ツールを導入すれば、同一案件の重複対応を防止でき、自動化による業務負担の軽減や人件費削減も期待できます。

無駄なコストを抑えつつ質の高いサポートを維持できるため、企業全体の経費削減につながるのが、ヘルプデスク設置の大きなメリットです。

ナレッジの蓄積と共有

ヘルプデスクでは、問い合わせ内容や解決方法をデータベース化し、組織全体で共有する仕組みが重要です。これを整えることで、対応の質が均一化され、新人も効率的に知識を習得できます。

また、ナレッジの蓄積は社内の情報共有を促進し、問題解決のスピードアップや業務効率向上にもつながります。結果として、組織全体の知識レベルが高まり、継続的なサービス改善が期待できます。

製品・サービスの品質改善

顧客からのフィードバックを直接収集できるヘルプデスクは、製品やサービスの改善にも貢献します。寄せられた意見やクレームを分析し、課題を明確にすることで、新商品の開発や既存商品の改良に反映可能です。

こうした取り組みは、顧客満足度の向上だけでなく、企業の信頼性やブランド価値の強化にもつながります。

ヘルプデスクのデメリットや注意点

ヘルプデスクの設置には多くのメリットがある一方でデメリットも存在します。あらかじめ注意点を理解したうえで適切に対応することで、ヘルプデスクをより効果的に運営することができます。

ツール導入による運用工数とコスト

ヘルプデスクツールを導入する際には、初期設定費用や月額ライセンス費用に加え、業務に合わせたカスタマイズ費用や運用を担う人材のコストも発生します。これらの導入・運用コストが想定以上に膨らむケースもあるため、事前に費用対効果をしっかりと見極める必要があります

効果的にツールを活用するには、導入目的や業務内容に適したツール選定と、無理のない運用体制の構築が欠かせません

ツール導入後の運用スキル習得と人材育成の負担

ヘルプデスクツールを導入した後は、システムを正しく使いこなすだけでなく、高い応対品質を維持するための継続的なスタッフ教育が必要です。対応のばらつきを防ぐには、業務フローや対応スキルの標準化も求められます。

また、IT知識に加えて柔軟な対応力も求められるため、人材育成の負担が大きくなる場合があります。導入後も継続的に教育できるよう、しっかりとした体制を構築しましょう。

社内や顧客に浸透するまでのハードル

ヘルプデスクを導入しても、社内や顧客にその仕組みが浸透するまでには時間がかかります。新たなルールやツールの使い方を周知し、日常業務に定着させるには、段階的な導入と丁寧な説明が不可欠です。

また、誰もが迷わず利用できるようにするためには、明確な運用ルールや対応フローを整備しておくことも重要です。

ヘルプデスクを活用して業務効率化・満足度向上・コスト削減を図ろう

本記事では、ヘルプデスクの基本的な役割や求められるスキル、メリット・デメリットについて詳しく解説しました。

ヘルプデスクを適切に設計・運用すれば、業務の効率化はもちろん、顧客・従業員の満足度向上やコスト削減といった効果も期待でき、組織全体の生産性向上につながります。また、記事内で紹介した注意点に留意することで、より効果的なヘルプデスク運営が可能になります。

自社での対応が難しい場合は、信頼できる外部業者への委託も選択肢の一つです。まずは自社の課題や状況を整理し、どのようにヘルプデスクを活用すべきか検討してみてください。

執筆者 浦 将平

AIチャットボットのプロダクトマネージャー。

7年間にわたり、法人向けの顧客管理ツール、データ統合ツール、CMS、チャットボット、電子ブックのマーケティングを担当し、BtoB領域でのプロダクトの成長に携わる。マーケティング戦略の立案から実行までを幅広く手がけ、業務プロセスの仕組み化を得意とする。

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