月400件の電話とメールの問い合わせが半数以下に!AIチャット導入で社内対応を効率化|日本ライナー株式会社様
最終更新日2025/11/07
公開日 2025/09/16
クラウドサーカス株式会社が提供するAIチャットボット『IZANAI Powered by OpenAI』(以下IZANAI OpenAI)を導入されているお客様の事例をご紹介します。
今回は日本ライナー株式会社 IT部のご担当者様に取材をさせていただきました。
日本ライナー株式会社様
https://www.nipponliner.co.jp/目次
事業内容
日本ライナー株式会社は、1965年に設立された交通安全分野の総合メーカーです。東京都江東区に本社を置き、路面標示材や安全資材を製造・販売するほか、舗装・標示工事などの施工業務も自社で担っています。近年では、英国Prismo社と提携した環境配慮型の路面標示材を新たに展開。2025年には、栃木県高根沢町に研究開発拠点「テクノロジー・イノベーションセンター」の開設を予定しており、次世代インフラ製品の開発にも注力しています。
導入の経緯
――まず最初に、普段の業務内容についてお聞かせください。
私はIT部に所属し、社内のIT化やDX推進を軸にさまざまな業務に携わっています。具体的には、Webマーケティングの推進に加え、社内システムやアプリケーションの開発、ホームページの運用管理なども担当しています。また、各部門と連携しながら、業務改善やツールの導入・選定にも取り組んでいます。
Webマーケティングの取り組みとしては、クラウドサーカスのMAツール「BowNow」を活用し、記事制作やSNS運用、動画施策などを展開しています。いわゆるバックオフィス業務とは異なり、部門間をつなぎながら、現場を巻き込んで全社的なデジタル化を前に進める役割を担っています。
――ありがとうございます。それではIZANAI OpenAI導入前、どのような課題を抱えていましたか?
当時は本社の管理部門に対して、全国の事業所や工事現場から毎日のように電話で問い合わせが寄せられ、その対応に追われる状況でした。内容は、経費精算時の補助科目の確認といった、比較的短いやり取りで済むものが中心でしたが、それでも月に400件近くにのぼりました。担当者は2名のみで、月末や月初などの繁忙期には対応が追いつかず、通常業務にも影響が及んでいました。同じ質問が何度も繰り返されることも多く、対応効率の改善が課題でした。
――その解決策として、他社のチャットボットを導入されたと伺いました。
まずは1問1答形式のチャットボットを試しました。導入によって、問い合わせ件数はある程度減少しましたが、表現の揺れに弱く、言い回しが少し異なるだけで回答が表示されない場面が多く見受けられました。その都度、新たな質問をFAQに追加する必要があり、1回のメンテナンス作業に1時間近くかかることもありました。一定の効果は感じたものの、運用面での課題が残り、より柔軟に対応できる手段を検討していました。
選定理由
――IZANAI OpenAIを知ったきっかけを教えてください。
ちょうどその時期に、クラウドサーカスの担当者からご提案をいただきました。BowNowを利用していた経緯もあり、信頼のおける企業からの紹介ということで、まずは話を聞いてみようと思いました。
――導入を決めた理由についてお聞かせください。
今回のリプレイスでは、「誰でも扱いやすいこと」と「コストを抑えられること」の2点を重視していました。IZANAI OpenAIは、直感的に使える操作性に加えて、表現の違いにも柔軟に対応できる点に魅力を感じました。また、ChatGPTの技術を活用しながら、年間約48万円のコスト削減が見込める点も決め手となりました。既存の課題に対応しつつ、運用や費用の負担を抑えられると判断し、導入を決定しました。
活用状況と効果
――IZANAI OpenAIは、どのような業務で活用されていますか?
現在は、管理部門への社内問い合わせ対応に活用しています。経費精算の補助科目や社内規定の確認など、シンプルで問い合わせ頻度の高い内容が中心です。
――導入後、運用面でどのような変化がありましたか?
メンテナンス作業にかかる負担が大幅に軽減されました。社内規定をまとめた約500ページのPDFを事前に読み込ませており、内容を改訂する際も該当箇所の差し替えのみで対応できます。以前はFAQの修正に1時間以上かかっていましたが、現在は数分で完了するようになりました。
また、表現の揺れや想定外の質問にも対応できるため、従来のチャットボットでは難しかったやり取りもカバーできるようになりました。質問パターンを事前に整備する必要がなくなり、運用負担の軽減にもつながっています。
――実際の利用状況について、教えてください。
2025年5月の公開から1か月で、社員約130名のうち45名が利用し、会話数は294件を記録しています。1人あたり平均6〜7回ほど利用されている計算です。電話の件数も、以前は月に400件近くありましたが、現在は100件前後にまで減っています。管理部門の会議中も電話が鳴りやまない状況でしたが、今では落ち着いており、業務に集中しやすくなりました。
――社内への展開にあたり、工夫されたことはありますか?
操作マニュアルは2ページに簡潔にまとめ、最低限の内容に絞りました。「ここを押せばAI型」「こちらがシナリオ型」といった直感的な案内にすることで、初めて使う社員でも迷わず操作できるようにしています。また、社内グループウェアのトップページにチャットボットの導線を設け、ログイン直後にすぐアクセスできるよう工夫しています。
――社内の反応はいかがですか?
社内でも好意的に受け止められており、評価制度や休暇制度など直接は尋ねづらい内容もAIチャットボットを通じて確認しやすくなったという声が寄せられています。特に若手社員からは、「電話をせずに自己解決できるのが助かる」と好評です。
また、問い合わせの質も変わってきました。以前は「この科目は何ですか」といった単純な質問が中心でしたが、現在は「ここまではAIチャットボットで調べたが、この部分が分からなかった」といった、より具体的な相談が増えてきました。まずチャットボットで確認し、そのうえで必要に応じて電話で補足する流れが定着しつつあり、再度質問する際の工夫も見られるようになっています。
――素晴らしい変化ですね。IZANAI OpenAIが活用されている理由は、どのあたりにあると思われますか?
一番の理由は、「また使ってみよう」と思ってもらえる使いやすさにあると感じています。以前のチャットボットでは、うまく回答が得られなかった経験から、利用が一度きりで終わってしまうこともありました。その点、IZANAI OpenAIは言い回しの違いや表現の揺れにも柔軟に対応できるため、多少の入力ミスがあっても自然な回答が返ってきます。
実際に、AIチャットボットの回答に対して「いいえ(解決しなかった)」とフィードバックされたのは117件中10件のみで、問題解決率は約9割にのぼります。こうした安定した回答精度が、継続利用につながっていると思います。
今後の展望
――今後のIZANAI OpenAIの活用について、どのような展望をお持ちでしょうか?
今後は、商品や製品に関するAIチャットボットの構築を予定しています。施工関連の情報も組み込むことで、社内外問わず、より実務に役立つツールとして活かしていきたいと考えています。
お客様の声
――IZANAI OpenAIの導入を検討している企業様へ、メッセージをお願いします。
全国に拠点がある企業には特におすすめしたいですね。本部への問い合わせが一極集中する状況を和らげることができますし、ChatGPTをベースにしながらも、比較的低コストで導入・運用できるのも魅力です。
自然な会話形式でやり取りできる点も社内で好評ですし、メンテナンスの手間が減ったことで、少人数でも無理なく続けられています。似たような悩みを抱えている企業の方にとって、ひとつの選択肢になるのではと思います。