カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いとは?役割・目的を徹底比較

更新日 公開日 2025/06/19

近年、顧客との長期的な関係構築が重視される中で、「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の違いを正しく理解することは、企業の成長戦略において欠かせません

両者は似た役割に見えて、目的やアプローチ、業務内容が大きく異なります。

本記事では、両者の違いをわかりやすく比較し、それぞれの活用ポイントを徹底解説します。

目次

カスタマーサクセスとカスタマーサポート定義の違い

「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」は混同されがちですが、それぞれの定義は大きく異なります。

カスタマーサクセスとは顧客の製品・サービス活用を支援する役割

カスタマーサクセスとは、顧客が自社の製品やサービスを最大限に活用し、継続的な成果を得られるよう支援する活動を指します。課題解決にとどまらず、能動的に顧客と関わり、成功へと導く点が特徴です。

カスタマーサクセスが重要とされるのは、顧客の満足度や製品の利用継続率を高めることで、解約のリスクを抑え、顧客を長期的に維持できるからです。さらに、顧客と信頼関係を築きながら成功へ導くことで、他社との差別化につながり、自社の価値をより高めることにもつながります。

カスタマーサポートとは顧客の問い合わせに迅速に対処し満足を提供する役割

カスタマーサポートとは、顧客からの問い合わせや不具合、クレームに迅速かつ的確に対応し、問題解決を図る役割を担う部門です。電話やメール、チャットなど多様な手段を通じて対応し、顧客の不満を最小限に抑えることが目的です。

丁寧で的確な対応は、顧客の不満解消に加え、安心感や満足度の向上につながり、企業への信頼を維持・向上させるのに寄与します。カスタマーサポートの質はブランドの印象を左右するため、多くの企業で重要視されています。

カスタマーサクセスとカスタマーサポート役割の違い

業務内容を比較

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、いずれも顧客満足度の向上を目的とした重要な業務ですが、その役割やアプローチには明確な違いがあります。

カスタマーサクセスは能動的に顧客の成果を支援し、サポートは受動的に顧客の課題解決を担います。一方で、カスタマーサポートは、問い合わせやトラブル発生への対応など、受動的な活動が主な業務です。

以下の比較表では、それぞれの業務内容や対象顧客などを整理しています。違いを理解することで、自社に必要な体制構築のヒントが見えてくるはずです。

項目 カスタマーサクセス カスタマーサポート
主な業務内容 活用支援、成功の伴走、
利用促進
問い合わせ対応、
トラブル解決、クレーム対応
位置づけ プロフィットセンター
(収益を生む)
コストセンター
(経費として管理される)
対象顧客 継続的な関係を築きたい
既存顧客
一時的な対応が必要な全顧客

次に、それぞれの果たす役割の違いを詳しく見ていきましょう。

役割の違い

カスタマーサクセスは、顧客が製品やサービスを最大限に活用し、成果を上げられるよう能動的に支援する役割を担います。

一方、カスタマーサポートは、問い合わせや不具合への対応を通じて顧客の不満を解消し、満足度の維持を目指す役割です。それぞれ異なる視点から顧客を支える点が特徴です。

顧客との関係性の違い

カスタマーサクセスは、顧客と長期的かつ能動的な関係を築きながら、成功体験を共に創出していくのが特徴です。

一方、カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせやトラブル対応といった一時的・受動的な接点が中心です。両者は異なる関わり方で顧客のニーズを支えています

アプローチ方法の違い

カスタマーサクセスは、顧客の課題を先回りして捉え、積極的に働きかける能動的なアプローチが特徴です。

一方、カスタマーサポートは、顧客からの問い合わせや不具合に対して対応するリアクティブな姿勢が中心です。両者はアクションの起点が大きく異なります

KPIの違い

カスタマーサクセスとカスタマーサポートでは、目的に応じてKPIも大きく異なります。以下に代表的な指標を示します。

  カスタマーサクセス カスタマーサポート
KPI例 解約率、継続率、
アップセル率、NPSなど
解決数、応答時間、
顧客満足度など

使用ツールの違い

両者は目的が異なるため、それに応じた使用ツールも明確に異なります。カスタマーサポートは「問い合わせ管理」「FAQシステム」「チャットボット」など、迅速な問題解決に特化したツールを使用します。

一方、カスタマーサクセスでは「顧客情報の一元管理」「タスク・ライフサイクル管理」「ジャーニーマップ」など、顧客の成功や継続利用を支援するCRMが中心です。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートどちらを重視すべき?

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは目的やアプローチが大きく異なります。本章ではその違いを踏まえ、どちらを重視すべきかをビジネスの特性別に解説します。

サブスクリプション型ビジネスではカスタマーサクセスを優先

サブスクリプション型ビジネスやSaaS企業、スタートアップにおいては、顧客の継続利用が事業の成否を左右するため、カスタマーサクセスを優先して取り組むことが重要です。サービスの価値を最大限に引き出してもらうことで解約を防ぎ、LTV(顧客生涯価値)を高めることが可能になります。

一方で、基本的な問い合わせ対応を担うカスタマーサポート体制も整えておくことで、顧客満足度を底上げし、カスタマーサクセスの取り組みをより効果的に進められます。

問題発生頻度が高い場合はカスタマーサポートを強化

EコマースやITサービスなど、ユーザーからの問い合わせやトラブル発生が日常的に起こるビジネスでは、迅速かつ的確な対応が顧客満足度を左右するため、カスタマーサポートを重視する必要があります。

特に、商品未着やシステム不具合といった問題への対応が遅れると、信頼を失いリピート購入にも悪影響を及ぼします。そのため、問題解決に特化したカスタマーサポート体制を強化することが不可欠です。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートを連携する効果

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは、それぞれ単独では対応が局所的になり、効果が限定される場合があります。連携することでその効果を最大化できます。連携によって得られる主な効果は以下の通りです。

  • 顧客満足度の向上
  • ロイヤルティの向上
  • 解約防止
  • 迅速なサービス(製品)の改善

双方が持つ顧客データや声を共有し合うことで、課題の早期発見と対応が可能となり、顧客体験の質が大きく向上します。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートを強化するための戦略

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いを理解したうえで、それぞれの機能を強化するには明確な戦略が必要です。顧客体験を高め、長期的な関係構築を目指すための具体策を紹介します。

チーム間のコミュニケーションを強化

カスタマーサクセスとサポートの連携を高めるには、チーム間のコミュニケーションを日常的に強化することが重要です。具体的には、週次の情報共有ミーティングを設け、顧客の課題やフィードバックを相互に共有する仕組みを整えるなどの方法があります。

また、チャットツールやCRMを活用してリアルタイムでの情報連携を可能にすることも効果的です。

情報共有や自動化の仕組みを整備

カスタマーサクセスとサポートを効率的に強化するには、情報共有や自動化の仕組みを整えることが必要不可欠です。たとえば、CRMや顧客データ分析ツールを導入することで、顧客の行動履歴や課題をチーム全体で可視化できます。

また、チャットボットを活用すれば、よくある問い合わせへの即時対応が可能になり、人的リソースの最適化にもつながります。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートを連携して効果最大化を図ろう

本記事では、カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いをわかりやすく比較し、それぞれの活用ポイントや戦略などを解説しました。

両者は役割こそ異なるものの、顧客満足と企業成長の両立には欠かせない存在です。単独では効果が限定されることもあるため、部門間の連携や情報共有、自動化の仕組みを整えることで、より大きな成果を生み出せます

本記事で紹介した内容を参考に、両軸の強化に取り組んでみてください。

執筆者 浦 将平

AIチャットボットのプロダクトマネージャー。

7年間にわたり、法人向けの顧客管理ツール、データ統合ツール、CMS、チャットボット、電子ブックのマーケティングを担当し、BtoB領域でのプロダクトの成長に携わる。マーケティング戦略の立案から実行までを幅広く手がけ、業務プロセスの仕組み化を得意とする。

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