カスタマーサポートツールの使い方と選び方|初めてでもわかる5ステップ
公開日 2025/06/11

カスタマーサポートツールは、導入目的や必要な機能を整理すれば、初心者でも自社に合ったものを選び、無理なく使い始めることができます。
とはいえ、「無料で使えるツールもあるけど、どう選べばいい?」「何から始めればいいかわからない」と迷う方も多いでしょう。
この記事では、カスタマーサポートツールの基本的な使い方から、失敗しない選び方、無料ツールの紹介、導入の5ステップまで、実務で役立つ情報をわかりやすく解説します。
目次
カスタマーサポートツールとは?
カスタマーサポートツールとは、顧客からの問い合わせ対応を効率化・自動化するためのITツールです。主な機能には、リアルタイムでのチャット対応、問い合わせ内容を一元管理するチケット管理、よくある質問を自己解決できるFAQ自動化などがあります。
これらの機能を活用することで、対応の属人化や抜け漏れを防ぎ、顧客満足度の向上と業務の効率化を同時に実現できます。現在では、企業規模や業種を問わず導入が進んでおり、CS向上に不可欠なツールとなりつつあります。
カスタマーサポートツールの基本機能と導入のメリット
カスタマーサポートツールには、業務を効率化や顧客対応の質を高める多彩な機能があります。ここでは主な機能と導入メリットを紹介します。
カスタマーサポートツールの主な機能一覧と業務への影響
カスタマーサポートツールは、多機能により対応業務を体系化し、効率化を実現します。
機能 | 概要 | 業務への影響・効果 |
---|---|---|
FAQ/ナレッジ共有 | よくある質問を蓄積・公開 | 顧客の自己解決を促進し、 問い合わせ件数を削減 |
チケット管理 | 問い合わせを一元管理し、 対応ステータスを可視化 |
対応漏れ防止・複数担当者での 引き継ぎが容易になる |
チャット対応 | リアルタイムでの顧客との対話 | 即時対応で満足度向上・電話 対応の工数削減 |
CRM連携 | 顧客情報と対応履歴を統合 | パーソナライズされた対応が 可能になり顧客ロイヤルティ向上 |
レポート機能 | 対応状況やKPIを可視化 | ボトルネックの把握・業務改善への フィードバックに活用 |
カスタマーサポートツール導入で人手不足と顧客満足度を同時に解決
カスタマーサポートツールの導入により、人手不足でも対応が回る仕組みを構築でき、対応品質のばらつきも抑えられます。迅速かつ正確な対応は顧客満足度を高め、信頼性の向上によってリピーターや新規リードの獲得にもつながるなど、営業面への波及効果も期待できます。
カスタマーサポートツールの種類と特徴|目的別に解説
カスタマーサポートツールには、目的や対応業務に応じたさまざまな種類があります。ここでは代表的な4タイプの特徴と活用シーンを紹介します。
FAQ・ナレッジベース型
FAQ・ナレッジベース型は、ユーザーが自ら情報を検索し、問題を自己解決できるように設計された支援型のカスタマーサポートツールです。
よくある質問やトラブルシューティングをあらかじめ整理・公開することで、問い合わせ件数を削減し、サポート業務の効率化につながります。また、社内マニュアルや業務手順書の共有にも活用でき、従業員の教育や情報共有ツールとしても効果的です。
参考:FAQを最適化するAIチャットボット | IZANAI Powered by OpenAI
チャットボット型
チャットボット型は、あらかじめ設定したシナリオやAIによる自動応答により、24時間365日リアルタイムでの対応が可能なツールです。
とくにFAQやよくある問い合わせへの対応に強みを持ち、顧客の自己解決を促すことで、対応時間の短縮やオペレーターの業務負担を大幅に軽減できます。また、対応の均質化や人為的ミスの防止にも貢献し、顧客満足度の向上にもつながります。
チケット管理型
チケット管理型は、顧客からの問い合わせを「チケット」として一元管理する仕組みです。
問い合わせ内容ごとに番号が付与され、対応の進捗状況や履歴を複数の担当者間で共有できるため、対応漏れや二重対応を防ぐことができます。問い合わせが複雑化する中でも、対応の透明性を高め、業務の属人化を防ぐことができるため、組織的な対応体制の構築に適したツールです。
複合型・統合ツールの特徴
複合型・統合ツールは、チャット対応、チケット管理、FAQ機能、CRM連携など複数のサポート機能を一元的に提供するオールインワン型のツールです。
これにより、異なるツールを個別に導入・連携する手間が省け、業務の効率化と運用コストの最適化を実現できます。機能の選択や拡張がしやすいため、小規模事業者から大企業まで、組織の規模や成長フェーズに応じた柔軟な対応が可能です。
自社に最適なカスタマーサポートツールの選び方5ステップ
自社に合ったカスタマーサポートツールを選ぶには、目的の明確化や機能の比較が重要です。ここでは失敗しないための5つの選定ステップを解説します。
Step1:対応業務を洗い出す
まずは現在のサポート業務を洗い出し、「どの業務にどれだけの時間と人手がかかっているのか」を可視化することが重要です。
問い合わせ対応のボトルネックや無駄な工数を明確にすることで、ツール導入の目的や改善したいポイントがはっきりし、自社に必要な機能や優先順位も見えてきます。これが、最適なツールを選ぶ第一歩となります。
Step2:課題と目標を明確にする
次に、自社が抱える課題と導入によって実現したい目標を明確にします。
たとえば、対応品質のばらつきを改善したい、スタッフの業務負担を軽減したい、顧客満足度を向上させたいといった具体的なゴールを設定することで、ツール選定時に重視すべき機能や評価ポイントが明確になります。目指す姿を言語化することが成功への鍵です。
Step3:必要な機能と予算を整理する
ツール選定にあたっては、自社にとって本当に必要な機能を明確にし、予算と合わせてバランスよく検討することが重要です。
たとえば、チャット機能やCRM連携、レポート機能などが業務上欠かせないかどうかを精査し、優先順位をつけましょう。高機能なツールほどコストが上がるため、必要な機能に絞り込むことで、無駄のない導入が実現できます。
Step4:候補ツールを比較・検討する
候補となるツールを複数選定したら、機能面だけでなく、導入事例やUIの使いやすさ、サポート体制、運用コストなども含めて総合的に比較検討しましょう。
とくにUIが直感的でないと、現場での定着が進まず失敗につながるリスクがあります。また、類似企業での導入実績や、導入後の運用負担の有無も重要な判断材料です。コスト面だけで決めず、実用性や運用のしやすさも重視しましょう。
Step5:トライアルや導入準備を進める
導入前には、無料トライアルを活用して実際の操作感や業務との相性を確認することが大切です。
あわせて、社内への説明資料の準備や運用ルールの明確化、担当者の選定など、スムーズな導入に向けた準備も進めておきましょう。現場の理解と協力を得ることで、ツールの定着率が高まり、導入効果を最大化できます。
無料で始められるおすすめカスタマーサポートツール11選
カスタマーサポートツールの導入を検討していても、まずは無料で試してみたい方も多いはずです。ここでは無料で始められるおすすめのツールを11選紹介します。
IZANAI(イザナイ)|曖昧な質問でも正解へ導く
毎日の問い合わせ業務に時間を取られていませんか?AIチャットボット「IZANAI」は、FAQやマニュアルの情報をもとに、自動で高精度に回答する生成AIチャットボットです。ノーコードで誰でもすぐに導入でき、カスタマーサポートの定型対応を大幅に削減。
人が対応すべき「本当に重要な問い合わせ」に、もっと集中できる環境を作りましょう。
IZANAIの主な特徴
- 社内資料やWebページを登録するだけで回答が可能
- PDF・Excel・WebサイトのURLなど、複数ソースを同時に学習
- FAQ整備が不十分でも、曖昧な質問に対応
- 面倒なシナリオ設計が不要
- 2週間の無料トライアル可能
参考:FAQを最適化するAIチャットボット|IZANAI Powered by OpenAI
ツール1:ChatPlus(チャットプラス)|国産で導入しやすいチャット対応ツール
ChatPlus(チャットプラス)は、日本企業が開発した国産のチャットツールで、初期費用ゼロ・月額無料プランから導入可能な点が魅力です。直感的なUIと日本語サポートにより、ITに不慣れな担当者でもスムーズに運用できます。訪問者ごとの対応履歴やリアルタイム対応、簡単な自動応答設定など、基本的なチャット機能が充実しており、中小企業や個人事業主にもおすすめです。初めてのチャット導入に適したコストパフォーマンスの高いツールです。
参考:【月額1,500円~ 】チャットボット導入実績No.1|チャットプラス
ツール2:Zendesk(ゼンデスク)|世界中で利用される多機能サポートツール
Zendesk(ゼンデスク)は世界中で利用されているカスタマーサポートツールで、チケット管理、チャット、FAQ、CRM連携など多機能を一元化できる点が特長です。無料トライアルから始められ、導入実績も豊富なため安心感があります。UIが洗練されており、カスタマイズ性も高いため、スタートアップから大企業まで幅広く対応可能です。英語対応が中心ですが、日本語サポートも強化されており、グローバル展開を視野に入れる企業にも最適です。
参考:Zendesk: 統合型カスタマーサービスソリューション
ツール3:Freshdesk(フレッシュデスク)|直感的なUIが魅力のオールインワン型
Freshdesk(フレッシュデスク)は、チケット管理、チャット対応、ナレッジベースなどを一括で管理できるオールインワン型のカスタマーサポートツールです。無料プランでも基本的な機能が充実しており、初めて導入する企業にも適しています。直感的で使いやすいUIが特徴で、業務効率を高めながら、顧客対応の質も向上させることが可能です。中小企業から大企業まで幅広い規模に対応でき、クラウド型で簡単に運用を始められる点も大きな魅力です。
参考:Freshdesk(フレッシュデスク)|直感的なUIが魅力のオールインワン型
ツール4:Re:lation(リレーション)|複数チャネルを一元管理できる日本発ツール
Re:lation(リレーション)は、メール・チャット・電話・SNSなど複数の問い合わせチャネルを一元管理できる日本発のカスタマーサポートツールです。担当者ごとの対応履歴が共有でき、二重対応や対応漏れを防ぐ設計がされています。UIも日本語対応で直感的に操作できるため、導入・運用のハードルが低い点も魅力です。小〜中規模のチームでも導入しやすく、情報の見える化と業務効率化に貢献します。無料トライアルも提供中です。
参考:Re:lation(リレーション) | 使いやすさNo.1の顧客対応クラウド
ツール5:Helpfeel(ヘルプフィール)|FAQ自動化に特化した高精度検索ツール
Helpfee(ヘルプフィール)lは、FAQ自動化に特化したカスタマーサポートツールです。訪問者が検索キーワードを入力すると、瞬時に関連回答を提示する高精度な検索機能が搭載され、問い合わせ件数の削減に大きく貢献します。また、FAQコンテンツの作成・管理がシンプルで、社内のナレッジ共有ツールとしても利用可能です。直感的なUIにより、初めて導入する企業でもスムーズに運用を開始できるため、効率的な顧客対応を実現します。
参考:Helpfeel(ヘルプフィール)|FAQ自動化に特化した高精度検索ツール
ツール6:Intercom(インターコム)|マーケティングも強いチャットボット型ツール
Intercom(インターコム)は、チャットボット型のカスタマーサポートツールでありながら、マーケティング機能も兼ね備えた多機能プラットフォームです。自動応答による問い合わせ対応に加え、ユーザーの行動に応じたメッセージ配信やリード育成にも対応できます。UIは非常に洗練されており、ウェブサイトやアプリに簡単に埋め込める点も魅力です。無料トライアルがあり、サポートとマーケティングを両立したい企業にとって理想的な選択肢です。
参考:Helpfeel(ヘルプフィール)|FAQ自動化に特化した高精度検索ツール
ツール7:TAYORI(タヨリ)|誰でも使いやすい簡易サポートツール
TAYORI(タヨリ)は、フォーム・FAQ・チャット・アンケート機能を備えた国産のカスタマーサポートツールで、誰でも簡単に使える操作性が魅力です。とくに専門知識がなくても導入・設定ができる点から、個人事業主や中小企業に支持されています。無料プランでも基本機能を十分に活用でき、顧客からの問い合わせ対応を効率化しつつ、社内の業務負担を軽減できます。見た目のカスタマイズ性も高く、ブランドイメージに合わせた対応が可能です。
参考:無料から試せるカスタマーサポートツール|Tayori(タヨリ)
ツール8:LINE公式アカウント|無料で使える接客チャネル
LINE公式アカウントは、顧客との接点を無料で持てる強力なコミュニケーションツールです。ユーザーの多いLINEを活用することで、問い合わせ対応やキャンペーン案内、個別チャットによるサポートまで幅広く対応できます。メッセージ配信機能や自動応答の設定も可能で、店舗・EC・サービス業など、あらゆる業種で手軽に導入されています。低コストかつ高い開封率を誇るため、サポートだけでなくマーケティング施策にも活用できます。
参考:LINE公式アカウントを - LINEヤフー for Business
ツール9:Mailwise(メールワイズ)|問い合わせ管理に特化したメール共有ツール
Mailwise(メールワイズ)は、サイボウズが提供するメール共有・管理システムで、複数人でのメール対応を効率化します。メールごとに担当者やステータスを設定できるため、対応漏れや二重対応を防ぎ、チーム全体の業務効率を向上させます。また、テンプレート機能やコメント機能を活用することで、対応の標準化や情報共有が容易になります。月額500円から利用可能で、30日間の無料トライアルも提供されており、初めての導入にも適しています。
参考:Mailwise(メールワイズ)|問い合わせ管理に特化したメール共有ツール
ツール10:OBOTAI(オーボットエーアイ)|AI搭載の無料チャットボットサービス
ObotAI(オーボットエーアイ)は、多言語対応のAIチャットボットサービスで、日本語を含む12言語に対応しています。AIがユーザーの入力を学習し、使うほどに精度が向上するため、自然な会話が可能です。また、LINEやFacebook Messenger、AIスピーカーなど多彩なインターフェースと連携でき、公共施設や商業施設での無人インフォメーションとしても活用されています。さらに、FAQページの自動生成機能や感情分析機能も搭載しており、顧客満足度の向上に貢献。無料トライアルも提供されており、初めての導入にも適しています。
参考:OBOTAI(オーボットエーアイ)|AI搭載の無料チャットボットサービス
導入後に失敗しないための注意点と成功のコツ
カスタマーサポートツールは導入後の運用が成功のカギを握ります。ここでは、よくある失敗を防ぎ、効果を最大化するためのポイントを紹介します。
社内の運用フローと教育体制の整備
カスタマーサポートツールを効果的に活用するためには、社内の運用フローと教育体制の整備が欠かせません。
対応が特定の担当者に依存する属人化を防ぐには、マニュアルの作成や対応ルールの明文化が重要です。誰が対応しても一定の品質を保てる体制を整えることで、業務の安定性が向上し、急な人員変更にも柔軟に対応できます。
ツールを定着させるには、導入時の研修と継続的な教育もセットで行うことが成功のポイントです。
KPIの設定と継続的な改善
カスタマーサポートツールを導入した後は、対応速度、一次解決率、顧客満足度といったKPIを設定し、数値で効果を測定することが重要です。
目標を明確にすることで、改善すべき課題が可視化され、具体的な対策を講じやすくなります。また、定期的にKPIを見直し、PDCAサイクルを回すことで、ツールの効果を最大限に引き出し、継続的な業務改善と顧客満足度の向上が期待できます。
IT部門・現場との連携がカギ
カスタマーサポートツールの導入は、現場任せにせずIT部門との連携が重要です。システム設定や既存ツールとの統合など、技術面の支援が成功の鍵となります。
ツールを活用して顧客対応の質を高めよう
カスタマーサポートツールは、問い合わせ対応の効率化や品質向上を実現する強力な手段です。チャット対応やチケット管理、FAQ自動化などの機能を活用することで、顧客満足度を高めながら現場の負担も軽減できます。
導入を成功させるには、自社の課題や目的を明確にし、最適なツールを選ぶことが重要です。まずは無料ツールやトライアルから始めて、社内の理解を深めながら段階的に導入を進めましょう。小さな一歩でも、正しい選択と運用が、大きな成果につながります。