現代の企業は、労働人口の減少やDX推進の流れを背景に、業務効率化の必要性が高まっています。

手作業中心の業務は生産性を下げ、社員の負荷も増大します。生産性を向上させるためには、適切なツールの活用が必要です。

本記事では、問い合わせ対応や資料管理、定型業務の自動化、営業支援、プロジェクト管理、コミュニケーション改善など、目的別に厳選した社内業務改善ツール15選を紹介します。さらに、失敗しないツール選びのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてください。

なぜ社内業務の改善にツールが必要なのか？

近年の深刻な人材不足や働き方の多様化、さらに経済産業省によるDX推進の流れを受け、企業には業務効率化と自動化が強く求められています。

ツールを活用することで、これまで人手に頼っていた業務の負荷を軽減し、業務品質のばらつきや属人化を防ぐことができます。実際に、リモートワークが普及したことで、コミュニケーションツールやクラウド型グループウェアの導入が急速に進み、働き方は大きく変化しました。

企業が持続的に成長し、競争力を高めるためにも、業務改善におけるツールの活用は不可欠な経営戦略となっています。

社内業務の改善におすすめのツール15選

ここからは、社内業務の改善に効果的な15のツールを、以下の課題別に紹介します。

• 問い合わせ対応・ナレッジ共有
• 資料管理・マニュアル活用
• 定型業務の自動化
• 営業活動の効率化
• プロジェクト・タスクの進捗管理
• コミュニケーション円滑化

【問い合わせ対応・ナレッジ共有】AIチャットボット 3選

まずは、問い合わせ対応やナレッジ共有に役立つAIチャットボット3選を紹介します。各ツールの特徴や料金プランなどを一覧表にまとめました。

それぞれのツールについて紹介します。

【無料で使える】AIチャットボットでFAQを最適化｜IZANAI（イザナイ）

IZANAI（イザナイ）は、OpenAI技術を搭載した生成AI型のチャットボットで、社内外の問い合わせ対応を自動化できるサービスです。高精度なAIが24時間365日稼働し、曖昧な質問にも適切な回答を導きます。

AIに関する専門知識がなくても簡単に導入でき、社内資料やWebサイトを登録するだけで利用開始可能です。従来のFAQのように質問と回答を個別入力する手間を省き、担当者の負担を大幅に削減できるため、問い合わせ対応の効率化と従業員の自己解決を同時に実現します。

さらに低コストで利用でき、専任サポートやセキュリティ面も充実しているため、幅広い部門で活用しやすい点が特長です。

参考：IZANAI（イザナイ） 公式サイト

ChatPlus（チャットプラス）

ChatPlusは、20,000社以上に導入されている生成AI対応のチャットボットサービスです。Webサイトやアプリに簡単に設置でき、顧客対応だけでなく社内ヘルプデスクとしても活用可能です。

よくある質問への自動回答により担当者の負担を軽減し、ユーザーの自己解決を促進します。用途に応じて生成AI型・AI型・シナリオ型から選べるほか、有人・無人・ハイブリッドの運用方法を柔軟に設定できるのも特徴です。

また、Q&A自動生成や検索ワード分析、回答支援機能など、高精度な運用をサポートする機能も充実しています。初期費用は不要で、月額1,500円から利用できる手軽さも魅力です。

参考：ChatPlus（チャットプラス） 公式サイト

KARAKURI chatbot（カラクリ チャットボット）

KARAKURI chatbotは、FAQや社内ナレッジ対応を自動化できる、高度なAIを活用したチャットボットです。シナリオを細かく設定できるだけでなく、複雑な問い合わせにも対応できる点が大きな強みで、特にカスタマーサポートの現場で豊富な導入実績があります。

ノーコードで回答を作成でき、AIが誤解しやすい質問を抽出・整理する機能や、改善を支援するシンプルなトレーニング画面も搭載。さらにSalesforceやZendeskなど主要CRMとの連携に対応し、同社が提供するFAQ管理や有人チャットツールと組み合わせれば、サポート体制をより強化できます。

企業文化や運用課題に合わせた柔軟なカスタマイズができる点も特長です。AIをうまく活用することで、スムーズな業務改善が行えます。

参考：KARAKURI chatbot（カラクリ チャットボット） 公式サイト

【資料管理・マニュアル活用】ナレッジ共有ツール3選

社内資料やマニュアルを効率的に活用できるナレッジ共有ツール3選を紹介します。高度なAIによるFAQ自動化や柔軟なシナリオ設定で、複雑な問い合わせ対応にも活躍します。

各ツールの特徴や料金プランなどを以下の一覧表にまとめました。

それぞれのツールについて紹介します。

【無料で使える】資料・動画を簡単に電子ブック化｜Actibook（アクティブック）

Actibookは、PDFや動画、音声などを手軽にデジタルブック化し、管理・配信できるナレッジ共有ツールです。営業資料やマニュアルをペーパーレス化できるため、郵送や印刷にかかるコストや作業負担を大幅に削減できるほか、顧客や社内メンバーへの情報共有もスムーズに行えます。

さらに、誰がいつどこまで資料を閲覧したかをログとして可視化できるため、顧客の関心を把握した上で次のアプローチにつなげることが可能です。会員限定の資料サイトや社員専用のマニュアル閲覧環境を構築できる柔軟性も特長で、20,000社以上の導入実績と高い継続率が信頼性を裏付けています。

無料から始められる手軽さも魅力の一つです。

参考：Actibook（アクティブック） 公式サイト

NotePM（ノートピーエム）

NotePMは、社内のナレッジやノウハウを体系的に蓄積・共有できるナレッジマネジメントツールです。マニュアルや議事録、ノウハウなどを一元管理し、WordやExcel、PDFなどのファイル内容も含めた強力な検索機能により、必要な情報を素早く見つけられます。

直感的に操作できるエディタや豊富なテンプレートで、マニュアル作成の手間や時間を大幅に削減可能です。さらに、全通信の暗号化や24時間365日のサーバー監視、ISO/IEC 27001準拠のセキュリティで、銀行や大学、上場企業でも安心して利用できます。

情報共有を活発化し、属人化した知識を組織全体の資産に変えられます。

参考：NotePM（ノートピーエム） 公式サイト

Confluence（コンフルエンス）

Confluenceは、Atlassian社が提供する企業向けナレッジ管理ツールです。社内の情報や資料を体系的に整理・共有できるほか、ページの階層管理や権限設定を柔軟に行えます。

同社のプロジェクト管理効率化ツール「Jira」と連携することで、プロジェクト管理と文書管理を統合し、進行中のタスクやドキュメントを一元化できます。ホワイトボードやデータベース、動画など多様なコンテンツを扱えるため、アイデアや情報を動的に表現でき、常に最新の状態を維持できるのが特長です。

ユーザーごとの権限管理により、必要な情報を適切に保護しつつ、チーム全体で信頼できる情報源を構築できます。

参考：Confluence（コンフルエンス） 公式サイト

【定型業務の自動化】RPAツール2選

ここでは、パソコン上の定型業務を自動化できる「RPAツール」のおすすめ2選を紹介します。繰り返し作業を効率化することで、担当者の負担を減らし、生産性向上につなげられます。各ツールの特徴や料金プランなどを以下の一覧表にまとめました。

WinActor（ウィンアクター）

WinActorは、NTTデータが開発した国産RPAツールで、日本語サポートが充実している点が大きな特徴です。

Windowsアプリケーションの操作を記録・再生するだけで、データ入力や帳票作成などの定型業務を自動化できます。プログラミング知識がなくてもドラッグ＆ドロップの直感的な操作でシナリオ作成が可能なため、非IT部門でも導入しやすい点が魅力です。

さらに、日本企業特有の業務プロセスに対応したライブラリや豊富なサンプルシナリオを備えており、幅広いシステムとの連携にも柔軟に対応できます。

24時間稼働や人的ミスの削減など、業務効率化と生産性向上を同時に実現できるRPAとして、多くの企業に選ばれているツールです。

参考：WinActor（ウィンアクター） 公式サイト

BizRobo!（ビズロボ）

BizRobo!は、RPAテクノロジーズが提供するRPAツールで、豊富な導入実績を誇ります。Webアプリやデスクトップアプリの操作を自動化し、請求書処理や在庫管理などの定型業務の効率化が可能です。

1ライセンスで無制限にロボットを作成・実行できるオールインワン型の価格体系が特徴で、大規模運用にも適しています。専任サポートや豊富なノウハウ提供により、導入から運用まで安心して活用できる点も魅力です。

参考：BizRobo!（ビズロボ） 公式サイト

【営業活動の効率化】顧客管理・営業支援ツール2選

社内業務の改善には、顧客情報の一元管理や商談進捗の可視化、営業タスクの自動化が可能な「顧客管理ツール（CRM）」や「営業支援ツール（SFA）」の活用が有効です。以下では、数あるツールの中から特におすすめの2つのサービスを厳選してご紹介します。

各ツールの特徴や料金プランなどを以下の一覧表にまとめました。

参考：営業サポートの業務を効率化するには？具体的な改善策や事例を紹介

Salesforce Sales Cloud（セールスフォース セールスクラウド）

Salesforce Sales Cloudは、世界最大手のCRMツールで、顧客情報の一元管理から商談管理、売上予測まで包括的にサポートします。高いカスタマイズ性により、企業独自の営業プロセスに合わせた運用が可能です。

豊富な分析機能を活用すれば、データドリブンな営業戦略を推進でき、営業活動の効率化と成果向上に貢献します。中小企業から大企業まで幅広い規模で導入されている点も特徴です。

参考：Salesforce Sales Cloud（セールスフォース セールスクラウド） 公式サイト

HubSpot CRM（ハブスポット シーアールエム）

HubSpot CRMは、マーケティングから営業までを一元管理できるオールインワンプラットフォームです。無料プランが用意されており、中小企業でも導入しやすいのが特徴です。

リード管理やメール配信、Webサイト分析機能を活用することで、顧客情報の整理や社内共有を効率化できます。さらに多様なアプリと連携できるため、営業活動をデータドリブンで最適化し、チーム全体の生産性向上を実現します。

参考：HubSpot CRM（ハブスポット シーアールエム） 公式サイト

【プロジェクト・タスクの進捗管理】プロジェクト・タスク管理ツール3選

プロジェクトやタスクを効率的に管理するためには、進捗状況の可視化やタスクの割り当てが可能な管理ツールが有効です。本章では、操作性や機能性に優れたプロジェクト・タスク管理ツールを厳選し、チーム全体の業務効率化に役立つ3つのおすすめツールを紹介します。

各ツールの特徴や料金プランなどを以下の一覧表にまとめました。

Asana（アサナ）

Asanaは、個人のタスクからチーム全体のプロジェクトまでを一元管理できる、プロジェクト管理ツールです。シンプルな操作性で、リスト形式やカンバンボード、ガントチャートなど状況に応じた表示方法を選択できます。

タスクの作成・割り当て・期限設定に加え、進捗の可視化やサブタスク管理も簡単に行える点も特長です。SlackやGoogleカレンダーなど、さまざまな外部ツールとも連携でき、チームの効率的なタスク遂行とプロジェクト進行をサポートします。

参考：Asana（アサナ） 公式サイト

Trello（トレロ）

Trelloは、「ボード」「リスト」「カード」を活用し、タスクを付箋のように直感的に管理できるプロジェクト管理ツールです。シンプルで自由度が高く、個人のタスク整理からチーム全体のプロジェクト管理まで、幅広く対応できます。

さらに、Slackやメールとの連携や、コード不要の自動化機能「Butler」により、作業の効率化やタスクの可視化を容易に行えます。カードのミラーリング機能を使うことで、複数ボードのタスクを一元管理できる点も魅力です。

参考：Trello（トレロ） 公式サイト

Backlog（バックログ）

Backlogは、システム開発から一般的なプロジェクト管理まで、幅広く対応できる日本製のプロジェクト管理ツールです。ガントチャート機能によりプロジェクトの進捗を視覚的に把握でき、課題管理やWiki機能を活用すれば、情報共有もスムーズに行えます。

また、Git連携によりソースコード管理も効率化できます。日本語サポートが手厚く、国内企業での導入実績も豊富なため、安心してチームのプロジェクト運用に活用できるツールです。

参考：Backlog（バックログ） 公式サイト

【コミュニケーション円滑化】ビジネスチャットツール2選

社内外の円滑なコミュニケーションには、チャットやファイル共有、タスク管理を一元化できるビジネスチャットツールが有効です。以下では、操作性や機能性に優れたおすすめの2つのツールを紹介します。

各ツールの特徴や料金プランなどを以下の一覧表にまとめました。

Slack（スラック）

Slackは、チーム内のコミュニケーションを効率化できるビジネスチャットツールです。プロジェクトやテーマごとにチャンネルを作成でき、メッセージやファイル共有、検索機能で情報を一元管理できます。

また、高いカスタマイズ性と豊富な外部サービス連携により、ワークフローの自動化やタスク管理との連携もスムーズに行える点も魅力です。チーム全体の情報共有と意思決定を加速させるツールとして、、世界中で広く利用されています。

参考：Slack（スラック） 公式サイト

Chatwork（チャットワーク）

Chatworkは、シンプルで直感的に操作できる国産ビジネスチャットツールです。チャット機能に加え、タスク管理やファイル共有、ビデオ通話機能も標準搭載されており、社内外のコミュニケーションを効率化できます。

国内企業での導入実績が豊富で、初めてビジネスチャットを利用するユーザーでもスムーズに運用可能です。タスクの進捗状況はチャット上で自動通知されるため、チーム全体の情報共有が容易になります。

参考：Chatwork（チャットワーク） 公式サイト

失敗しない社内業務改善ツールの選び方

社内業務改善ツールを紹介しましたが、導入で失敗しないためには何に注意すべきでしょうか。ここでは、自社に最適なツールを選ぶためのポイントを解説します。

改善したい業務と課題を明確にする

社内業務改善ツールを選ぶ際は、社内の「どの業務」に「どのような課題」があるのかを具体的に洗い出すことが重要です。「どの業務で、どのような非効率が起きているか」「誰が、何に、どれくらいの時間を費やしているか」を把握することで、ツールに求めるべき機能や目的が明確になります。

そのうえで、本当に必要な機能を持つツールに絞って比較検討することで、無駄なコストを削減できます。また、単純作業の自動化によるミスの削減、導入後の運用体制まで考慮することで、導入の失敗リスクを抑えることが可能です。

導入目的と予算を決める

ツール選定を成功させるには、「なぜ導入するのか」という目的を明確にし、社内で共有することも欠かせません。「コストを削減したい」「生産性を向上させたい」など具体的なゴールを設定することで、導入後の効果測定もしやすくなります。

また、ツール導入にかけられる予算や費用対効果を事前に検討することも重要です。目的と予算を両立させることで、無理のない投資計画を立て、期待する成果を出せるツールの選定につながります。

操作性とサポート体制を確認する

ツールは導入して終わりではなく、導入後に従業員が日常的に使いこなせることが重要です。

特に、ツールに不慣れな従業員でも直感的に操作できるかどうかが、定着のための大切なポイントです。導入前に無料トライアルを利用し、実際に使い勝手を確認することをおすすめします。

また、導入時の初期設定や、運用中に問題が発生した際のサポート体制も事前に確認しておきましょう。充実したサポートがあれば、安心して導入を進められます。

既存システムとの連携性をチェックする

すでに社内で利用しているツールやシステムと連携できるかを確認することも、業務改善ツール選びにおいて欠かせません。データ連携がスムーズに行えれば、二重入力の手間を省き、さらなる効率化や生産性向上につながります。

逆に互換性が低い場合、導入効果が半減してしまう可能性もあります。将来的な拡張性やカスタマイズ性も考慮し、既存環境と相性の良いツールを選びましょう。

自社に適したツールを活用して、社内業務を改善しよう

自社に適した業務改善ツールを活用することで、手作業中心の非効率な業務を削減し、生産性を向上させることが可能です。

本記事で紹介した15種類のツールは、問い合わせ対応、資料管理、定型業務の自動化、営業支援、プロジェクト管理、コミュニケーションといった課題別に最適化されています。

ツール導入の際は、自社の目的や予算、操作性、既存システムとの連携性を確認し、社員がスムーズに活用できる体制を整えることが重要です。ポイントを抑えることで、ツールの効果を最大限に引き出し、社内業務の効率化を実現できるでしょう。